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#ワークスタイル

ある時は大手食品メーカー社員、ある時は社会課題の挑戦者を全力応援する応援隊。人生をより豊かにするプロボノ活動とは?

2024.09.27 

近年、社会貢献活動のひとつとして、本業で培った経験やスキルを活かして社会課題解決に取り組む「プロボノ」が注目を集めています。社会貢献がしたいという理由に加え、自身の活動の場を増やす、スキルを磨く、という視点からプロボノ活動に取り組む人は少なくありません。

 

人生100年時代、職場と家庭だけでなく、多様な関係性を社会の中で持つことが豊かな人生に重要とされています。

 

今回から、プロボノとして、社会課題解決にチャレンジする人を支える「応援コーディネーター」へのインタビューを連続でお届けします。応援コーディネーターとは、and Beyondカンパニー(※1)が主催するBeyondミーティング(※2)というブレスト会議の場で、登壇者をサポートする応援隊です。

 

ブレスト会議前には伴走役として登壇者の発表内容のブラッシュアップを行い、ブレスト会議当日は多様な参加者が集まる場でファシリテーションをしながら場を盛り上げます。

 

第1回目は、大手食品メーカーに所属しながら応援コーディネータをした結果、チャレンジを応援する側から自らもチャレンジする側に変化し、より豊かにアクティブに挑戦を続ける柏木浩正さんの素顔に迫ります。

 

柏木 浩正(かしわぎ ひろまさ)さん

食品メーカーにてマーケティングを担当する傍ら、共同農園や健康イベント企画・運営など地域活性化の活動にも携わる。最近は2男2女の4子の父親として、「子供たちにいかに豊かな環境を残せるか?」に関心を持ち、食育や地産地消活動にも参加。

 

7世代先の世代に、今自分たちが当たり前のように享受できている環境を残すことができるのか?

――普段のお仕事を教えてください。

 

現在は大手食品メーカーのマーケティング部に所属し、日々世の中の課題解決につながる商品やサービスの企画に取り組んでいます。

 

プロジェクトマネージャーとして関係者や開発、営業、広報と連携し、生活者の課題解決に繋がるような商品をつくる仕事をしています。

 

――柏木さんのライフワークで特に力を入れていることがあれば教えてください。

 

耕作放棄地を地域コミュニティで運営していく共同農園をつくっています。

 

ネイティブアメリカンの言葉に「どんなことも七世代先まで考えて決めなければならない。」という言葉があり、「大地は子孫からの借り物」であり、今の私たちの行動が「7世代先の子孫のためになっているのか考えて行動する」ということを意味します。

 

私は食環境に興味があるので、持続可能な生活や地球環境を保護していく上でこの言葉にとても共感しています。

 

週末は共同農園で子どもと一緒に収穫体験をしている

 

7世代先の世代は、今自分たちが当たり前に食べられているものが食べられるのか。彼らが幸せに生きられる環境を作っていきたいですね。

 

収穫した野菜をその場でダッチオーブンを使い調理

もっと世界を広げて、自信をもってチャレンジできるものを探したい

――応援コーディネーターにチャレンジしてみようと思ったきっかけはなんですか。

 

人事系の部署にいた数年前、社内でBeyondミーティングの開催案内がきたので参加してみたことがきっかけです。

 

そこで、Beyondミーティングには社会課題にチャレンジする登壇者を一緒に伴走する「応援コーディネーター」という役割があることを知りました。それまで自分はあまりアクティブではありませんでしたが、新しいことをやるのが好きで、ゼロイチで何かをしたかったんです。

 

でも、自分が旗を振って自信をもってやりたいことがわからなくて、まずはいろんな人を知り自分がこれをやりたいというものを探したいと思い、プロボノ活動として応援コーディネーターにチャレンジすることにしました。

 

応援コーディネーターとして参加した全力応援のブレスト会議「Beyondミーティング」で、出たアイデアをまとめる柏木さん(中央)

 

――応援コーディネーターを始めてみてどうでしたか。

 

伴走をきっかけに、本気で世の中をよくしたいという想いで活動している人に初めて出会い「こんな世界があるんだ!」という発見があり、自分自身の世界が広がりました。

 

――何にやりがいを感じますか。

 

伴走が終わった後に「ありがとうございました」と伴走した人に言われると嬉しいですね。

 

自分が無理やりファシリテーションをしなくても、当日のブレストの場の雰囲気が盛り上がっているとき、うまくいったと感じます。イベントが、参加者同士が繋がり続けるきっかけになってくれたら嬉しいです。

小さくてもよいから次に繋がるコラボレーションを生みたい

――応援コーディネータの経験が、普段の仕事や生活に役立っていることはありますか。

 

いろいろなことにチャレンジするようになりました。

 

現在、所属している一般社団法人社会的健康戦略研究所では、大阪市・西淀川の取り組みとして、西淀川区の自治体、民間企業、住民、NPO、教育機関と連携して地域課題を解決するためのアクションを進めています。

 

応援コーディネーターというプロボノ活動を通してチャレンジしているたくさんの人に出会い、自分もアクティブに活動するようになり、現在その取り組みをリードする役割を担っています。

 

柏木さんが所属している一般社団法人社会的健康戦略研究所の活動内容

 

応援コーディネーター仲間と継続開催している「関西版Beyondミーティング」では、それをテーマに2回登壇しました。

 

関西版Beyondミーティングでは地域課題解決のテーマで登壇

 

――チャレンジを応援する側から自らもチャレンジする側になったんですね。仕事で活かされていることもあれば教えてください。

 

ファシリテーションスキルがあがりました。

 

仕事では「この人はこの部署だからこういう視点から話をしてくるだろうな」など、立ち位置やスタンスから議論の流れが予測できます。でも、Beyondミーティングでは、職種も世代も越えて多様な参加者が集まるブレストのファシリテーションをしないといけないので、めちゃくちゃ鍛えられます。

 

また、登壇者を深く知ることも、ファシリテーションスキルをあげる上で重要です。人となりだけでなく、どんな課題があり、どんな活動をしているのか、その社会的・政治的な背景までも理解しないとうまいファシリテーションができない。

 

本業には関連しないことを知らないといけないので、視野が拡がります。会社で、社会課題の話題をだすと「なんでそんなこと知ってるんですか」と言われることがありますが、登壇者に伴走することで、多くの社会課題に触れ学ぶ経験をしてきたからだと思います。

世の中に貢献したいけれど何をしたらよいかよくわからない人の第一歩になる

――今後どんなことをしてみたいですか。

 

イベントが終わった後に、小さくてもよいから次に繋がるコラボレーションを生みたい、そのための応援の仕組みをつくれたら良いなと思います。

 

2023年にキックオフされた関西版Beyondミーティングでの集合写真。柏木さんは一番上の列、左から三番目。関西で応援の輪を拡げる活動を続けている

 

――最後に、応援コーディネーターはどんな方におすすめか教えてください。

 

何かやりたいけれど一歩踏み出せない人や、世の中に貢献したいけれど何をしたらよいかよくわからない人の第一歩になると思います。迷っているならとりあえずやってみることをおすすめします!

編集後記

応援コーディネータの活動を通してチャレンジする人たちに背中を押され、自身も応援される側として世界を拡げチャレンジを続ける柏木さん。今後の共同農園など地域での取り組みも楽しみです。

 


 

応援コーディネータの活躍も楽しめる次回開催のBeyondミーティングはこちらをご確認ください。

わたしも応援コーディネータをしてみたい!という方はぜひこちらからまずは「応援コーディネーター募集説明会」にご参加ください

 


 

※1…and Beyondカンパニー「意志ある挑戦があふれる社会を創る」をミッションに活動する企業とNPOによる共創コンソーシア厶。立場や組織の垣根を超え17社が参画している。

※2…Beyondミーティングand Beyondカンパニーが主催する全力応援ブレスト会議。組織・立場・世代を越えて誰もが自由に参加できる場として毎月開催されています。

 

この記事を書いたユーザー
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芳賀千尋

1984年東京生まれ。日本大学芸術学部卒。 20代は地元と銭湯好きがこうじ商店街での銭湯ライブを開催。 1000人以上の老若男女に日常空間で非日常を満喫してもらう身もこころもぽかぽか企画を継続開催。2018年からETIC.に参画。