認定NPO法人e-Education
・認定NPO法人e-Educationは、『最高の教育を世界の果てまで』をミッションに、映像授業やオンライン授業をはじめとしたITの力を駆使し、途上国の教育機会に恵まれない子どもたちにも高度な教育を届ける活動をしている。
・子どもたちが生まれた場所や環境によらずに自身の可能性に挑戦できる世界をつくるため、バングラデシュ、フィリピン、ミャンマー、ネパール等15カ国5万人以上の中高生に教育を届け、500名を超える難関大学合格者を排出している。
・2023年からは日本で暮らす海外ルーツの子どもたち(外国籍、または海外で育った子どもたち)への教育伴走サポートに取り組んでおり、自治体パートナーと共にオンライン教育支援モデルを2030年までにつくり上げるという目標を掲げ、活動を推進している。
「みてね基金」は、2020年4月から「すべての子ども、その家族が幸せに暮らせる世界を目指して」子どもや家族を取り巻く社会課題解決のために活動している非営利団体を支援しています。
「認定NPO法人e-Education(以下、e-Education)」は、「みてね基金」第三期ステップアップ助成の採択団体です。助成事業のひとつである、日本で暮らす海外ルーツ児童向けのオンライン教育支援プロジェクトを中心に、代表の三輪開人(みわ・かいと)さんにお話を伺いました。
※こちらは、「みてね基金」掲載記事からの転載です。NPO法人ETIC.は、みてね基金に運営協力をしています。
代表の三輪開人さん
ネパール語の小3算数の問題、解けますか?
突然ですが、みなさんはこの問題を解けますか? ネパールの小学3年生が解く算数の問題です。
提供 : e-Education
「算数ならば外国語でもわかるかな」と思った方もいるのではないでしょうか。
私はそう思いました。でも、なんとなく数字の「96」、「28」と読める文字は、実は「16」と「24」。何を問われているかがわからないだけでなく、数字さえも理解できず、愕然としてしまいました。
実は今、日本の公立小学校の教室で、こんな「ちんぷんかんぷん」な状態に陥ってしまっている海外ルーツの子どもたちがいます。何も理解できないまま苦しい時間を過ごす子どもたちは、中学校に行ってもその影響を引きずってしまうと言います。
この問題に対して「なんとかできないか」と考えたのは、映像授業やオンライン授業をはじめとしたITの力を駆使し、途上国の教育機会に恵まれない子どもたちにも高度な教育を届ける活動をしてきた認定NPO法人e-Educationの三輪開人さん。
三輪さんは日本の教育課題とも言えるこの現状に対し、「途上国の人たちの力を借りて解決する」と語りますが、いったいどういうことなのでしょうか?
まずは16年ほど前、e-Educationのはじまりに遡り、三輪さんが歩んできた道のりを一緒に辿ってみましょう。
アジア最貧国の農村に、DVD予備校を。
2009年、当時大学4年生だった三輪さんは、途上国の素材や技術を活かしたものづくりを行う「株式会社マザーハウス」のインターンとしてバングラデシュに滞在していました。ある夜、とある農村で1人の高校生に出会います。深夜、街灯の下で教科書を音読するその姿に、強く心を打たれたと語ります。
「家に灯がないから、公園で勉強していたんです。『妹や弟を助けるために、良い仕事に就きたい。そのために、大学に受かりたい。でも、お金がないから予備校には通えない。勉強したい』と泣きながら話してくれました」
バングラデシュといえば、当時「アジア最貧国」と呼ばれていた国。中でも農村部は経済的に厳しく、大学進学者の90%以上が都市部出身者で、農村部と都市部の間に深刻な教育格差が生じていました。特に高校生向けの高度な内容を教えられる先生が足りず、農村部の子どもたちは良質な授業を受けられない状況下にあったのです。
提供 : e-Education
そんなバングラデシュの現実に直面した三輪さんの脳裏に浮かんだのは、日本での大学受験の記憶。静岡県掛川市で生まれ育ち、経済的理由で大学に行けなかった両親の元で育った三輪さんの中には、受験という挑戦自体が「とても楽しいもの」であったという記憶が刻まれていました。
高校時代の三輪さんにとっての「楽しい」を強力に後押ししたのは、大学受験予備校「東進ハイスクール」によるDVDの映像授業でした。高校3年生の夏まで野球一筋で過ごし、自分のペースで勉強できる映像授業を始めてみたところ、見事に「どハマり」したそう。「目から鱗」だったという授業を毎日のように受講し、第一志望こそ叶わなかったものの、浪人生活を経て大学に進学することができました。
「僕と同じような体験を、バングラデシュの農村部の高校生たちにも届けられないか?」
そう考えた三輪さんは、別の組織の大学生インターンとしてバングラデシュに滞在していた税所篤快(さいしょ あつよし)さんと共に都市部にある予備校街へ。
提供 : e-Education
道ゆく予備校生たちにヒアリングして有名講師を見つけ出して訪ね、農村部の高校生に映像授業を届けたいと想いを伝えたところ、快く無償で協力してくれることになりました。一方、農村の方々も協力的で、映像授業のために場所も電気も無償で貸してもらえることになったそう。
提供:e-Education
2010年、こうして多くの人々の協力によりバングラデシュ初のDVD予備校を開校。すると、参加した32名の高校生たちは目の色を変えて勉強に取り組むようになりました。そしてその半年後、見事18名が大学に合格。“バングラデシュの東大”と呼ばれる最難関の国立ダッカ大学にも1名の合格者を輩出することができました。
高校生たちの住むハムチャー村では約40年ぶりに難関国立大学の合格者が誕生し、e-Educationの取り組みは「ハムチャー村の奇跡」として賞賛されたのです。
どうしても必要となる経費は、当時日本では黎明期だったクラウドファンディングで支援を募ったところ、目標の約2倍にも及ぶ支援金が集まりました。
途上国から日本へ。直面した見えにくい社会課題
e-Educationによる映像授業は瞬く間に現地の人々の噂となり、地域も規模も少しずつ拡大していきました。2010年のスタートから15年の時を経た今では、バングラデシュ全土、さらにはフィリピン、ミャンマー、ネパールなど15カ国へと地域を拡大。これまでに累計5万人以上に映像授業を届け、500名を超える難関大学合格者を輩出しています。ツールもパソコンからタブレット、スマートフォンへと移り変わり、学びの質を上げるためのアプリケーションも開発し、その取り組みは常に進化し続けてきました。
2015年にはバングラデシュの難関国立大学への合格者が100名を超えました。(提供 : e-Education)
一時期は三輪さん自身がさまざまな困難に直面し休養したこともありましたが、「e-Educationに出会えて本当に私は幸せでした」「e-Educationが好き」と言って受験を終えた生徒たちが今度は高校生を教える側として活躍してくれる姿に助けられ、2017年には再始動。そして彼らは口々に、「日本に恩返しがしたい」と言ってくれたのです。
三輪さんは彼らが日本で働ける道をつくれないかと考え、e-Education立ち上げ後に新卒職員として働いていたJICA(独立行政法人国際協力機構)と協働し、バングラデシュの若いエンジニアが日本で働くための教育プログラムの開発を行いました。その結果、3年間で約260人が日本へ就職することができたと言います。
提供 : e-Education
それ自体は素晴らしい成果ですが、日本に就職した彼らに、今度は「子育て」という壁が立ちはだかりました。
エンジニアとして日本に就職する彼らの多くは、法務省が定める「高度外国人材」に該当するため、就労活動に制限が少なく、永住権取得の優遇措置も受けられます。このため、単身ではなく家族と共に日本に移住するケースが多いとのこと。
でも日本の地方には、海外ルーツの子どものための教育環境が整備されていませんでした。いわゆる外国人学校に通っている子どもたちもいますが、一方で公立小中学校に入学する子も多く、そのサポート体制は自治体によってばらつきがあります。実はほとんどの自治体で、学校の先生たちが翻訳機などを活用しながら「なんとか現場でやりくりしている」という状況だと言います。
日本に来た海外ルーツの子どもたちへの支援が行き届かないという、とても見えにくい教育格差問題。この大きな壁に直面した三輪さんは、当時の心境についてこう語ります。
「学校の先生方もベストを尽くしてくださっていると思うのですが、子どもたちにとっては、文化も言葉も何もかもが違うわけです。授業も理解できず子どもたちが日本の学校に行きにくくなり、通えない状態になって、最終的には家族みんなで帰国してしまうということが複数件起こってしまいました。『恩返しできなくてごめんなさい』と言って帰国しなければならないエンジニアたちの姿に、なんというか、悔しさと同時に怒りのような感情さえ湧いてきましたね」
「この問題が他人事とは思えなくなった」と語る三輪さんは、実態調査と支援体制構築のために「みてね基金」に応募。無事採択されたため、2023年度から日本での聞き取り調査を開始しました。まずは外国人エンジニアが多く活躍している静岡県や愛知県の自治体を巡りましたが、ここで改めて厳しい現実を知りました。
前提として、公立小中学校に入学した海外ルーツの子どもに対しては教育委員会がサポートをする必要があります。でも現状は、彼らを支援するためのモデルが確立していない上、モデルになり得るような取り組みを行っている団体もほとんどないことがわかったのです。さらに三輪さんは、「自分たちでさえもこの課題の本質を誤解していた」と気づいたそう。
「みてね基金の申請のために提案書を書いたときは『継承語(※)支援』を掲げていたんです。日本語ができるようになれば外国から来た子どもたちも日本の学校が楽しくなるのではないか、学校生活で困らなくなるのではないか、と思っていたんですね。でも現場への聞き取りで『日本語も大事ですが、算数が絶望的で悩んでいる』という話がありまして……」
※「継承語」とは、家庭やコミュニティで話される、親から子どもに受け継がれる言語のことを指す言葉。生まれて最初に自然に身につける言語、つまり第一言語を指す「母語」と区別して使用される。
ここまで語り、三輪さんが見せてくれたのが、記事の冒頭で紹介した算数の問題。もう一度お見せしましょう。
ネパールの小学3年生が簡単に解ける算数の問題(提供 : e-Education)
やはり「ちんぷんかんぷん」ですよね。三輪さんによると、「1クラスに24人がいます。16クラスあるとき全員で何人ですか?」という問題だそう。想像できた方、いらっしゃいますか?
こういった文章問題だけではなく、日本語に慣れていない子どもたちは九九を覚えるのも大変です。授業では「いんいちがいち」「ににんがし」「さざんがきゅう」と習いますが、これを理解するためには「いん」と「いち」が同じ「1」で「に」と「にん」が同じ「2」であることまで覚えなくてはなりません。英語で「one times one equal one」と覚える方がよっぽど簡単であることは明らかです。
このように、海外ルーツの子どもが算数の問題を日本語で解こうとするのはかなりハードルが高く、彼らが学びやすい形で算数を教えることが大事だと三輪さんは思い直しました。
そしてすぐに、行動に移しました。当初予定していた「継承語で日本語を教える」という事業内容を変更し、まずは算数に焦点を絞ることに。日本語教育から、算数の教育へ。この事業変更に対し、みてね基金の担当者もその理由と意図をよく理解し「子どもたちにとって最善の方法が優先された結果、助成事業の当初計画に変更が生じることはネガティブなことではない」と、応援してくれたと言います。果たしてこの方針転換の効果はあったのでしょうか?
「効果は抜群で、プロジェクトにとっていいことだらけでしたね。たとえば掛川市は既に海外ルーツの子どもたちに対するサポートの仕組みが整っていましたが、いざ学校に通っている子どもたちを見ると、明らかに算数で困っていることがわかりました。その姿を目の当たりにしてきた先生方もこの取り組みに強く共感してくださり、掛川市の公立小学校での導入がスムーズに進みました。
また、これは小学校の先生に教えていただいたのですが、小学校の算数ができないと、中学校の理科が解けなくなるそうです。小数点の掛け算などが出てくるため理科も解けなくなり、結果として中学では5教科中2教科で遅れを取ることになってしまう。小学校の算数をきちんと理解することは、その後の学習においても大きな効力を発揮するのです」
オンラインで一対一で。誰もが安心して学べる環境を目指して
では実際、日本の公立小学校に通う海外ルーツの子どもたちはどのように算数を学んでいるのでしょうか。e-Educationの構想を強力に支えてくれたのが、文部科学省が2019年から推し進めてきた「GIGAスクール構想」です。2022年には全国ほぼ全ての小中学校で1人1台の端末貸与とネットワーク環境の整備が完了していたため、この端末を活用した学習体験を提供することにしました。
「私たちが考えたのは、途上国で算数や数学を教えている先生と日本にいる海外ルーツの子どもをオンラインでつなぐというプログラムです。
たとえば、フィリピンから日本に来た子どもを教えるのは、フィリピンで生まれ育ち、タガログ語・ヴィサヤ語、英語を話すことができる先生です。先生たちには日本式の算数を学んでいただき、タガログ語やヴィサヤ語を使って算数をサポートするオンラインプログラムをつくりました。
先生たちの中には、私たちがサポートしていた子もいるんです」
提供 : e-Education
Web会議アプリケーション『Zoom』を活用し、一対一でのオンライン授業を提供したところ、これが大好評。子どもたちにとっては授業を理解できるということだけではなく、母語や継承語で学習以外のことも話せるため、孤独感から解放される時間にもなりました。こういった価値を感じ取った学校の先生の中からは「オンライン授業を公開形式で実施しよう」という提案も届いているのだとか。
「外国から来た子たちがいかに難しい状況に置かれているか、自分が理解できない言葉で授業を受けることがいかに大変なのかということを、日本の子どもたちに体験してもらおうという意図の試みです。その体験を通して、海外ルーツの子がオンラインで勉強することを全員が納得できるような空間づくりに、学校全体で取り組もうとしています。日本の学校の教室でそのようなことが実現すれば、子どもたちがわざわざ海外に行かなくても、日本はもっとグローバルな国になるんじゃないかと期待しています」
途上国での長年の取り組みが、ぐるりと巡り巡って今、日本にいる子どもたちを支えている。その光景を前にした三輪さんの目には、どんな未来が見えているのでしょうか。
「海外ルーツの子どもの支援を日本で行うことで、点と点がすごくあたたかくつながりつつあることを感じています。日本の公立校の先生がポロッと『三輪さん、途上国の教育支援は大事ですね。そちらが解決できれば、この事業も必要なくなるんじゃないですか?』と言ってくれたんです。『そうなんですよ! だから僕らは10年間やってきたんですよ』とお伝えしましたが、私たちがやってきたことが、今まさに、日本にも還元され始めているんですね。
私は長年の活動の中で『なぜ国際協力するのか?』という問いに向き合い続けてきましたが、私たちが今取り組んでいることは、途上国の人たちの力を借りて日本の社会課題を解決するチャレンジだと思っています。これまで蒔いてきた種がこれから花開き、世界があたたかく教育でつながる未来が少しずつ現実味を帯びてきたと思っています」
みてね基金の助成期間を終えた後も、e-Educationは「2030年までに受け入れ体制が未整備な自治体の数をゼロに」、そして「日本語や算数など初期支援が必要な越境児童をゼロに」することを目標に、このオンライン学習支援モデルを全国に普及すべく邁進しています。これまで協働してきた掛川市では、市の政策として、掛川市にいる全ての海外ルーツの子どもに対してオンライン学習支援を実施するための予算確保と体制づくりが整ってきました。また、掛川市と並んで静岡で最も海外ルーツの子どもが多い菊川市でも実証が始まっており、今後は静岡県と愛知県において事業を展開していく予定です。さらに今後は、海外ルーツの子どもが少ない自治体にこそこのプログラムを届けたいと三輪さんは語ります。
「例えばフィリピン南部で使われているヴィサヤ語で算数を教えられる人を雇用したくても、地域内ではなかなか見つかりません。でもオンラインで完結する仕組みなら、たった1人、週1回のサポートだとしても、見合った予算で実現することができます。オンラインにすることで、海外ルーツの子どもの数が少ない自治体ほど使いやすいモデルになるのではないかと考えています」
海外ルーツの子どもたちに必要なのは、日本語よりも算数の支援であるということ。オンライン学習支援が真価を発揮するのは、海外ルーツの子どもが少ない地域であるということ。
三輪さんのお話からは、痛快なほどにさまざまな課題の本質が次々に炙り出されていきます。途上国でも日本でも、常に現場に足を運び、自分の目で見て本質を見定めて行動に移してきたその姿勢こそ、e-Educationがここまでの成果を上げられている理由なのだと感じずにはいられません。
「みてね基金」の助成事業の一貫として団体内部のメンバー向けにビジョンブックを作成。「組織の中に目を向けられた非常に重要な時期だった」と三輪さん。 photo by 中西須瑞化
「未知は希望」である
インタビューの最後に、三輪さんに、日本で子育て中のお父さん・お母さんへのメッセージをいただきました。
「僕には最近大切にしている言葉がありまして、それは『未知は希望』です。未知のこと、わからないことは、生物学的にも恐怖を感じることですし、僕自身も静岡の田舎から東京や世界に飛び出していくことは怖かった。でも両親が『本当に好きでワクワクしているならどんどん挑戦してみなさい』と背中を押してくれたお陰で今の自分があるのだと思っています。僕の両親は一切海外に行ったこともなければ大学にも行ったことがないのにもかかわらず、そう言ってくれました。
子どもがかわいいから、大切だから怖い目に遭ったり不安なことに触れてほしくないと思うかもしれません。でもお子さんの存在自体が未知であり、希望の塊です。実は未知の中には、自分の期待を超えるような希望や明るい未来があるのだと思います。
今、日本は環境変化の真っ只中にあり、近い将来、海外ルーツの方々が10人に1人という時代も来るかもしれない。求められることや挑戦できることの幅はどんどん増えていき、より複雑になるかもしれない。そんな時代の中においては、わからないことや知らないことというのは、むしろ社会を明るくするための希望と捉えられるかもしれません。
ぜひご家族で、未知というものにワクワクしながら歩んでいただけたら嬉しいなと思っています」
遠く海の向こうで始まったe-Educationの物語は、今、日本でその真価を発揮しています。その事実は、「未知」が「希望」であることを体現しているのだと感じます。
社会課題が山積し、社会情勢も激変するであろうこれからの時代を生きる子どもたちは、まさに「未知」と向き合いながら生きていくことになるでしょう。それを「不安」と捉えるか、あるいは、「希望」と捉えるか。その捉え方ひとつで、世界は違って見えてきます。
受験ひとつをとってもワクワクしながら取り組んだ三輪さんは、その後も社会を舞台に自分で自分の人生を切り開いていきました。さあ、あなたも未知の塊であるお子さんとともに、一歩を踏み出してみませんか?
その歩みの一つひとつが、いつか巡り巡って、私たち自身の暮らしや環境に希望をもたらしてくれる。そんな未来にワクワクしながら。
取材後記
「受験」という言葉には、「知識詰め込み型で一過性である」ことや「合格が目的となって力尽きてしまう」等の理由から、ネガティブな印象も付き纏います。実際に日本でも第一志望の大学に合格する生徒の割合は20%未満と言われていますが、e-Educationを受講して受験した生徒たちも、かなりの高実績を残しているとはいえ、その半数以上は第一志望に合格できない悔しさを味わっていると言います。
でも三輪さんの中には「受験は誰でも平等にチャレンジできる楽しいもの」という記憶と体感があり、その体感も丸ごとひっくるめて途上国へ届け、着実に実績と成果を積み上げてきました。それが途上国の生徒の「恩返ししたい」という想いにつながり、さらに日本でも、「未知は希望」という言葉に象徴されるように、受験の合否を超えたところにある教育の本質的な価値を伝え続けています。
インタビューの語り口からも伝わってくる三輪さんのポジティブなマインドと未来へのワクワクは、途上国で、日本で、そのまま現場へとインストールされ、子どもたちにも伝わっていることでしょう。教室は20年後の社会。教育から社会を動かしていくe-Educationの活動を、これからも応援したいと思います。
団体名
助成事業名
外国人児童向けのオンライン日本語・算数教育支援プロジェクト推進
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