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"フローレンスway"から見る、事業型NPOが求める人材像 認定NPO法人フローレンス事務局長・宮崎真理子さんインタビュー(3)

2014.07.22 596view 

フローレンス事務局長・宮崎さんのパーソナリティに迫った(1)「NPOで働く」を考える(2)NPOならではの仕事「事務局長」の役割とは!?に続き、本記事では、フローレンスが掲げる行動指針「フローレンスway」を中心に、フローレンスがどのような人材を求めているのか、そして「人材」というものをどのように位置づけているのか、ということを明らかにしていきます。

フローレンスway

リニューアルしたフローレンスwayのブックレット

行動指針を明文化したフローレンスWay

梅村:フローレンスには「フローレンスway」というスタッフ全員が規範とする行動指針がありますよね。たいていの企業にも行動指針ってありますけど、結構名ばかりのものが多い印象です。一方で、フローレンスはこの「フローレンスway」をとても大切にされています。

宮崎:そうですね。実は最近「フローレンスway」をリニューアルしました。

梅村:あ、そうなんですか。リニューアルはどういった経緯で?

宮崎:最初に「フローレンスway」を作ってからもう10年くらい経っていて、その間に組織の規模も大きくなったし、中にいる人も変わったし。そろそろ現状にマッチした新しいものを作らなきゃなってことで、リニューアルプロジェクトがスタートしました。

梅村:なるほど。具体的にはどういった形でリニューアルは進んだのですか?

宮崎:プロジェクトが動き始めたのが去年の冬だから、半年ぐらいかけて作りました。メンバーは立候補+駒さん(フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏)で、現場からヒアリングをしたり、雛形ができたらみんなに見せて「どうですか?」っていうのを何回か繰り返して。スタッフ全員の意見を聴きました。

梅村:半年って結構長いですね。

フローレンスway

  1. "チームフローレンス"でいこう!
  2. 飛び込め!われらの現場に
  3. ゴーゴー!"前のめり"
  4. 戦略脳、フル回転!
  5. アイデア相撲を取れ!
  6. ハート?と生産性の両輪で走れ!
  7. リスペクトのレンズを着け、世界を見る
  8. 変革者たれ

梅村:では「フローレンスway」の中身についていくつかお伺いしていきたいと思います。まずは、冒頭の「チームフローレンスでいこう」。このwayに込められた想いを教えてください。

「チームフローレンスでいこう」組織が大きくなっても志は一つに

宮崎:今回のリニューアルで一番特徴的なのが、この「チームフローレンスでいこう」ですね。病児保育だけだったフローレンスが、この10年で事業部も、職種も、本当に豊かになってきました。でも、たとえどんなに組織が大きくなったとしても、わたしたちは一つのフローレンスですよ、ということをこのwayがまずは伝えてくれる。

「フローレンスは一つ」という意識をみんなが持ってくれていることがすごく大切。だからwayの中でも一番初めに持ってきたんです。並ぶ順番にも、とてもこだわっています。

梅村:フローレンスは多角的に事業展開していますね。そこがすごいところではありますが、でも、志はいつまでも変わることなく、あくまでみんな一つですよ、ということですね。では次は「ゴー!ゴー!"前のめり"」。

「ゴー!ゴー!前のめり」ソーシャルベンチャーらしく常に"前のめり"で

梅村:またこれはかわいい感じです。(笑)これ、以前は「"前のめり"でいこう」でしたよね?

宮崎:そうそう。意味は変わっていないんですけど。新しく組織に入ってくる人が増えてきて、それはいいことなんだけど、どうしても少し安定志向になってしまうところがありました。でも、そうじゃない、GO!GO!なんだという意味を込めています。

前のめり

スタッフへの浸透のため会議室の名前をフローレンスwayになぞらえている

梅村:さらに強調した感じですね。やっぱり新しく入ってくる人が増えると、安定志向になりがちなんでしょうか?

宮崎:転職してきた人の中で多いのは、やっぱり「スピード感が違う」っていうこと。もうついていくのに必死、みたいなことがあります。でも、ソーシャルベンチャーで求められるのは「変化に対する耐性」が強い人。「昨日こう決まったじゃないですか!」じゃダメなんです。「外部の環境が変わったんだから、自分たちの行動も変えていこう」という発想が求められる。そうやって切り替えられる人が強いと思います。

梅村:これだけ認知度が高くなると、いい意味でも悪い意味でも、大企業からの転職が増えてきそうです。社会からの注目も大きくなっていますし。

宮崎:でも変わらず大切なことは、前のめりにアクションを起こして、自分がまず突っ込んでいって、そこで得たものを社会に返していく、という姿勢です。もちろん戦略的に頭で考えることも必要だけど。どんなに組織が大きくなろうとも、私たちはソーシャルベンチャーであり続けなければならないから。

鈴木:ものすごく優秀なのに、ものすごく受け身な人っているからね。そういうのが当たり前な環境で10年もやっていたら、どうしてもそういう意識が染み付いちゃう。自分で気がついて提案する、ということができない。でも求められるのってそういう人じゃないんだよね。

宮崎:あとは、他責思考の人はいらないかな。何につけても「だってこれは行政がこうなってるから」みたいな。そもそも私たちはそこを壊していく組織だから。その環境の中で一歩踏み出せる人が大切ですね。

梅村:とにかくゴールに向かって諦めずに最後まで手を動かしていくことが大事、ということでしょうか。次、お伺いしてもよろしいですか?次は・・・「アイデア相撲をとれ」。これもまた独特な(笑)

「アイデア相撲を取れ!」アイデア同士をぶつけあい課題解決へ

宮崎:そうですね。(笑)フローレンスという組織は本当に多様な人材から成り立っているし、それを求めてもいます。だからこそ、どんなに異なるバックグラウンドを持った相手とも、しっかりと対話をし、課題解決のために前に進んでいかなくちゃならない。

そんな中で多いのが、「あの人の意見には反対だけど、反対すると仲が悪くなるのでは」と思って自分の意見が言えなかったり、逆に言い過ぎてしまい人格の否定までしてしまうこと。

この「アイデア相撲を取れ!」というのは、アイデアと人とは別なんだよ、っていうことです。その人の人格とは別に、まずはアイデアを一旦前に出して、アイデア同士をトントンと戦わせるようなイメージで作りました。

アイデア相撲

梅村:なるほど。たとえアイデアを否定したとしても、それは人格とは関係ないから、活発に意見を戦わせることができるということですね。まあ、そうでなければイノベーションは生まれないですからね。一見変わった表現ですけど、すてきな考え方だと思います。

宮崎:ありがとう。(笑)

梅村:では次は、「ハート?と生産性の両輪で走れ!」ですね。これは何となく分かります。

「ハート?と生産性の両輪で走れ!」"想い"とシステムとで最適解を導く

宮崎:保育という事業領域上、どうしてもハートの部分に偏りがちで「この子どもがよくなるように」という思考に陥ることが多くて。それはもちろん大切なことなんだけど、同時に組織を安定させていかなければならない。そのためにはいかにシステムで効率化するか、ということもとても大切で。その両輪で最適解を導いていくことがすごく大事になってくると思っています。

ハート

梅村:想いを込めながら、必要なところにはシステムを入れていく。それって組織が大きくなってくると絶対に必要になってくるものだと思います。最後、「変革者たれ!」に込められた想いをお聞かせください。

「変革者たれ!」フローレンスの根幹を支える"構え"

梅村:この「変革者たれ!」というのは以前からありましたよね。

宮崎:そうだね。実は今回「フローレンスway」をリニューアルするにあたって、この「変革者たれ!」は削除しようという話もありました。これは行動ではないんじゃない、という話になって。でもこれはフローレンスのメンバーとしての「構え」だから結局は絶対に入れよう!ってなったんです。全ての根本にあるスタンスですね。そういうスタンスがあるからこそ、他のwayが示しているようなアクションがとれるんだ、っていう思いを込めています。

「フローレンスway」はいわば次の10年を照らす灯台のようなもの。迷った時の指針になって欲しい。変な言い方だけど、駒さん的には「歯磨きと同じくらい浸透させたい」そうです。(笑)当たり前という意味で。

変革者たれ

鈴木:迷った時に指針があるっていうのは大きいですね。こういうスタンスが明文化されているのとないのとでは、特に組織規模が大きくなってくると、全然違うと思います。

梅村:最後にあらためてお二人に「ソーシャルベンチャーにおける人材」についてお話ししていただければと思うのですが、よろしいですか?

熱い想いを持ったキーパーソンを増やしていきたい

鈴木:ソーシャルベンチャーって、サービスの質の高さが人の質の高さにより比例するから、人材がとても大切です。だから丁寧に「その人がその場所でその仕事をする意義」を徹底的に考えています。

鈴木敦子

宮崎:モチベーションがすごく大事ですね。どういうモチベーションで働いているのか、ということがサービスの品質に直結する。「仕事だからやっている」というのと、「向き合っている人のために仕事をする」のとでは、結果が全く違ってきます。そのためには、キーパーソンを増やしていくことが大事かな、と思っています。これまでは、代表が一番熱い想いを持って組織を引っ張っていましたが、これからはチームプレーがより重要になってくる。だから熱い想いを持ったキーパーソンを増やしていって、その人たちが周りの関係者たちを巻き込んでいって欲しいなと思っています。

鈴木:すごく分かるなあ。私、事務局長同士で話をするのが癒しになっています。(笑)

宮崎:お互い同じような悩みを抱えていますからね。でも組織内では相談できない、みたいな。(笑)

梅村:そうなんですね。それならば、こういう場を設けることができて僕も良かったです。今日は貴重なお話ありがとうございました。

認定NPO法人フローレンス事務局長・宮崎真理子さんインタビュー
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この記事を書いたユーザー

梅村 尚吾

梅村 尚吾

1992年生まれ、東京大学文学部英語英米文学科3年。学生インターン。大学受験中にマザーハウスのドキュメンタリー番組で「ソーシャルベンチャー」という概念に出会い、その道を志すように。大学1,2年次はアフリカ渡航などを経験。3年次を休学し、認定NPO法人フローレンスで1年間のインターン。ソーシャルセクターにおけるIT技術活用のインパクトの大きさに可能性を感じ、現在キャリアを模索中。生涯スポーツである水泳のため、スポーツジムに通うのが日課。

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