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こどもの将来にとってベストな関わりを。こどもたちと共に学童保育をつくるChance For Allの働く現場に密着

2019.09.17 

DRIVE職場訪問01

小学校の授業が終わると、こどもたちが続々とやってくる場所、学童保育(放課後児童クラブ)。共働き家庭やひとり親家庭の増加などを背景に増え続けており、現在、約123万人の児童が登録しているといわれています(厚生労働省、2018年5月1日現在)。

 

そんな学童保育を2014年に立ち上げ、「生まれ育った家庭や環境でその後の人生が左右されない社会を実現する」と理念を掲げて活動しているのが特定非営利活動法人 Chance For Allです。墨田区と足立区で8つの学童保育「CFAKids」を運営しています。

 

こどもたちのための場所を、こどもたちと一緒につくることにもこだわっているChance For Allの「CFAKids」。では、現場ではどんなふうに働きながらこどもたちと接しているのでしょうか。スタッフの方にインタビューしました。

徹底したこどもとの関わりを近くで学べる現場

今回おじゃましたのは、足立区にある綾瀬校。一番近い小学校からは歩いて3分ほどの場所にあるそうです。

入り口yokonaga

インタビューさせていただいたのは、現場の職員として学童保育の運営に携わっている菊池香歩(きくち・かほ)さん。こどもたちとの関わり、おやつと食事作り、保護者の方とのやりとりなどを担当しています。

菊地さん6

もともと教師を目指していたという菊池さん。教育系の大学に通っていた際、ある教育イベントでChance For Allを知り、「学校以外にもこどもたちと関われる方法がある」とインターンを開始。その際、CFAKidsで見た職員の姿が目からうろこだったと言います。

 

先生たちは、こどもたちの2歩も3歩も先のことを見ながら声がけをされていました。その関わり方を近くで学びたいと思ったんです」

 

こどもたちの数歩先を見た関わり方とは、どういうことですか?と尋ねると、次のように答えてくださいました。

 

「先輩の職員たちからは、よく『到達点をもって』と言われます。目の前のことに振り回されず、『ケンカが解決できるまで話し合う』などゴールをもってこどもたちとコミュニケーションを取るようにしています

 

CFAKidsのケンカの解決は、「ごめんね」「いいよ」のやりとりで、無理やり丸くおさめるような、表面的なものではありません。何に対して「ごめん」と謝っているのか、こども達は納得しているのか、職員はこどもたちと丁寧に対話していきます。

 

「以前、女子3人が陰口が原因でケンカになった事がありました。その時、陰口を言われた子が『本当に言ったの?』と、本人に確認したんです。最終的に、陰口を言った子が謝り、こども同士でケンカが解決されていました。先輩の職員の日々のコミュニケーションの積み重ねが、こういう風に表れるんだなと思いました」

 

実際、CFAKidsでは、どんなふうに働きながらこどもたちと関わっているのか。菊池さんから現場の様子を聞かせていただきました。

メリハリのある時間割をスタッフ2人で管理

Chance For Allでの働き方は、基本的にC(10:00~運営終了まで(20:00頃))、F(13:00~運営終了まで)、A(個々に合わせた働き方)の3パターンが設定されています。そのなかで菊池さんは入社してまだ半年ということもあり、現在、Fの形態で仕事をしているそうです。そこで現在の菊池さんの1日のスケジュールを教えていただきました。

CFA様-スケジュール

菊池さんが出社するのは基本的に13時。昼食は12時頃、校舎についてから持参したお弁当を食べるか、外食するのだそうです。

 

出社後は、朝礼として、準備をしながら一日のうちで気を付けることなど情報を共有します。綾瀬校ではキャプテンと呼ばれる職員と、菊池さんがペアを組んで仕事をしているため、2人で動きながら話をしていきます。

 

一日のスケジュールを組んだ後、取り掛かるのが、おやつ作り。CFAKidsではおやつ、そして夕食も職員が手作りしています。現在、綾瀬校には34人のこどもたちが在籍しており、その人数分を菊池さん1人で、またはキャプテンと2人で作るそうです。こどもたちにも玉ねぎの皮をむいてもらうなど、できることで手伝ってもらうこともあるとか。

 

その後、17時45分からは「じぶんノート」の時間として、こどもたちが今日あったこと、感じたことなどを書いていきます。菊池さんたち職員はその様子を見守りながら、小さな変化を見逃さないように観察します。

 

急に文章量が増えたり、またはいつもはたくさん書く子があまり書かなくなったりする場合があるので、気を付けて見るようにしています

じぶんノート

こどもたちが主体的に学童をつくっていくための取り組み

取材中、気になったものがありました。ボックスに書かれた「こどもけいり」という言葉です(下の写真の右ボックスの真ん中)。菊池さんに聞いてみると、「“自分たちの校舎は自分たちで管理する”という意識をつけるための活動として、CFAKidsでは、こども経理部をつくっているんです」と答えてくださいました。

ボックス

「たとえば、こどもたち自身が出店した夏祭りの売上を、自分たちの校舎をよくするために使うことにしています。その時、必要だと思うもの、欲しいものを募集して、みんなで予算会議を開いて買うかどうかを決めるんです。今なら『セロハンテープが足りなくなっているから必要だ』という意見が出ているので、それについて議論し合っています」

 

こども経理部のメンバーの任期は3か月。今、3年生2人、2年生1人でチームを組み、予算の管理や会議での進行などをこなしているそうです。

 

主体的にものごとを進めていくために必要なコミュニケーション能力も、こどもたちが自分で学んでいけるように菊池さんたちはサポートします。

掲示物2

これはピースフルスクールプログラム(PSP)というオランダ発祥のプログラム。3、4年生のこどもたちが人の話の聞き方や人との関わり方について意見を出し合い、まとめたものです。月1回、話し合いながら内容を決めていくそうです。

 

「こどもたちには、みんなが平和に生きられる社会になるためのプログラムだよ、と話しています。自分たちで書いたことなので、『聞く姿勢って何だっけ?』などと聞くと気づくことがあるようです。『できてる?』と聞くと『できてない』と正直な答えが返ってきたり、こどもたちが自分のこととして受け止めているのを感じています」

 

そう話す菊池さん。一人ひとりの中でのこうした変化が積み重なり、こどもたちはお互いの意思を尊重しながら生きることを身に付けていくのかもしれない。そう思ったお話でした。

判断に迷ったときなど、職員たちを支える社内体制

しかし、こどもたちとの日々はいろいろなことが起こるはず。予定通りにいかないことも多いと思います。菊池さんたち職員の方は判断に迷ったりはしないのでしょうか。

 

職員を支える社内ツールや体制について、3つ教えていただきました。

8枚目_菊池さん差し替え

1つ目が、職員同士がこどもたちを知り合うための「目線合わせシート」。今年から始めたというこの取り組みが、まず、現場の判断を助けるツールのひとつになっているようです。

 

「一人のこどもに対して、毎月、好ましいところ、好ましくないところ、許しがたいところの3観点で書いていきます。職員2人、同じこどもでも違うところを見ていたりするので、『こんなところあったっけ?』と気付き合いながら目線を合わせていくんです

 

お互いの気付きを通して職員たちがこどもたちへの理解をさらに深め、一人ひとりに本当にあった対応を可能にしています。

 

2つ目は、細やかなフィードバック。キャプテンの職員からの毎日の丁寧なフィードバックが、菊池さんの大きな支えになっているようです。

 

「私の行動に対して『この関わり、よかったよね。目の表情が変わっていたよ』、『あの子は今ここが課題だからこうした関わり方をプラスしてみたら?』など、とても具体的に言ってくださるんです」

 

自分の対応を客観的に見てアドバイスしてもらえることで、自信をもつことも、足りない部分を認識することもできます。経験から得た学びが、現場の判断を助けてくれます。

 

3つ目は、「Chance For Allスタンダード」。Chance For Allの行動指針で、こどもたちへの対応の仕方や心の持ち方などを代表の中山勇魚さんがまとめたものです。「学童はこどもを叱る場所ではない」、「比較評価しない」といったことが書かれています。

 

そのなかで、「CFAKidsの運営において最も大事な項目」として挙げられているのが、「迷ったら『こどもの将来にとってよい方』を選ぶ」こと。さらに、「毎日の生活の中でたくさん迷うことがある。その時はこの価値観を忘れず選択すること。迷ったらすぐ上司に相談すること」(「Chance For Allスタンダード」より引用)と中山さんからのメッセージが続いています。

 

こどもたちへの思いがあるからこそ、現場では迷いも生じやすくなる。そんな時、すぐ上司に相談できるように、普段から話しやすい関係をつくり続ける。そうしたChance For Allのコミュニケーションへのこだわりは、目線合わせシートや細やかなフィードバックといった工夫からも感じられました。

 

最後に、菊池さんに入社を考えている方に向けた言葉をお願いしました。

 

「CFAKidsは、こどもの成長に寄り添う分、職員自身も成長することを求められる職場だと思います。何も努力しなければ時間はどんどん経っていく。言葉がけ一つとっても、何も言わないという選択もあります。でも、それでは何も変わらないから声をかけてみる。それでこどもたちの反応がよくなかったら違う声がけをする、と自分自身が学習していく。

 ただ、私には背中を押してくれる先輩がいるからできていると思っています。そんな今の環境をとてもありがたく思っています

Chance For Allで学童の可能性を拓きたい人、募集!

特定非営利活動法人 Chance For Allでは、現在、2件のポジションで人材を募集しています。一つは、菊池さんのように毎日の生活を通してこどもたちの成長を支える現場スタッフ、もう一つは、Chance For Allでの現場経験をもとにした社会起業家の育成枠になります。自分自身の学びも多いChance For Allでの仕事にご関心ある方、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。


 

<特定非営利活動法人 Chance For All求人概要1>

 

募集ポジション

現場スタッフ

雇用形態

正社員

給与

【研修期間】月額184,000

※半年間、現場の職員として勤務しながら、研修計画に沿ってCFAの現場や考え方を学びます。

【研修終了後】月額214,000〜

※定期残業代含むー賞与あり(例年、二ヶ月分支給)、昇給あり

勤務地

※以下のいずれかとなります。

■足立区

CFAKids梅島校、西新井校、千住校、亀田校、綾瀬校、六町校

■墨田区

CFAKids曳舟校、押上校

応募資格

・保育士、幼稚園教諭免許

・教員免許

※取得見込み可。

※必須ではありませんが、いずれかがあると望ましいです。


 

<特定非営利活動法人 Chance For All求人概要2>

 

募集ポジション

CFA起業家採用枠

雇用形態

正社員

給与

年俸250万円

※3年後の卒業時、事業立ち上げされる場合は別途起業準備応援金あり。

勤務地

※校舎は以下のいずれかとなります。校舎に加えて本部での勤務があります。

■足立区

CFAKids梅島校、西新井校、千住校、亀田校、綾瀬校、六町校

■墨田区

CFAKids曳舟校、押上校

応募資格

社会を変えるための現場を創り上げる意志のある方。

 

「特定非営利活動法人 Chance For All」の募集要項の詳細はこちら!

この記事を書いたユーザー

DRIVE by ETIC.

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DRIVEメディア編集部です。未来の兆しを示すアイデア・トレンドや起業家のインタビューなど、これからを創る人たちを後押しする記事を発信しています。 運営:NPO法人ETIC. ( https://www.etic.or.jp/ )

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