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鎌倉投信・新井和宏さん×MAKOTO・竹井智宏さん対談 「会社と地方の幸福論」vol.4 地方はゆたかで、めんどくさい

2016.12.13 598view 

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連載対談「会社と地方の幸福論」は、一般社団法人MAKOTONPO法人ETIC.ローカルイノベーション事業部の共同企画です。この秋、わたしたち2団体は、東北で生まれている移住・起業の火種を東京で体感するイベント「TOHOKU IGNITION」を、4回にわたって開催します。第4回のテーマは「志とビジネス」。1月18日(水)19:00から3×3 Lab Futureを会場に、パネルディスカッションと懇親会を予定しています。東北から始まる「新しいビジネス」を体現しつつある3名の起業家と交流し、真のアントレプレナーシップを感じたい方は、ぜひご参加ください! 詳細・ご応募はコチラから。

現代の日本は、ストレス社会だと言われます。

なぜ、お金や仕事がストレスの原因となってしまうのか。これらとどう付き合えば、わたしたちは幸せに近づくことができるのか……。そんな疑問から、それぞれ仙台と鎌倉を拠点に“いい会社”をふやすことに取り組む、一般社団法人の竹井智宏さん、鎌倉投信株式会社の新井和宏さんに、話を聞くことにしました。

2人の対談から見えてきたのは、“地方で働く”“いい会社をふやす”“幸せのものさしを見つける”といったことが、仕事を通して幸せになるための鍵になる、ということ。そんな対談の内容を、5回に分けてお届けします。

第4回は、「地方のゆたかさとめんどくささ」についてです。

※第1回、第2回、3回の記事も合わせてご覧ください。

竹井智宏さんのプロフィール

一般社団法人MAKOTO 代表理事

1974年生まれ。東北大学生命科学研究科博士課程卒。仙台のベンチャーキャピタルにて、ベンチャー企業への投資に従事していた際に東日本大震災が発生。震災後の2011年7月に一般社団法人MAKOTOを設立し独立。日本初の再チャレンジ特化型ファンド「福活ファンド」を組成し、起業家の投資育成活動を展開。2015年、日本ベンチャーキャピタル協会より「地方創生賞」を受賞。起業家育成の環境作りにも力を入れ、東北最大のコワーキングスペース「cocolin」を仙台市内で運営。東北随一のクラウドファンディングサービス「CHALLENGE STAR(チャレンジスター)」も展開。2016年、日本財団「ソーシャルイノベーター支援制度」によりソーシャルイノベーターに選出。東北大学特任准教授(客員)。

新井和宏さんのプロフィール

鎌倉投信株式会社創業者・取締役資産運用部長・「結い2101」運用責任者

1968年生まれ。東京理科大学工学部卒。現・三井住友信託銀行、ブラックロック・ジャパンに在籍し、ファンドマネージャーとして数兆円を運用する。2007年、大病を患ったこと、リーマン・ショックをきっかけに、10年近く信奉してきた金融市場・投資のあり方に疑問を持つ。2008年、同志と、鎌倉投信株式会社を創業、以降投資信託「結い2101」の運用責任者として活躍。経済性だけでなく社会性も重視する投資哲学の下、「結い2101」は、個人投資家1万6千人以上、純資産総額240億円超(2016年10月時点)の支持を集め、2013年には第3者評価機関の最優秀ファンド賞も獲得。特定非営利活動法人「いい会社をふやしましょう」理事も務める。

「自分が人の役立てている」感覚を得るために

新井:地方で働くことの何がいいかっていうと、若い人が若いだけで役に立てるということだと思います。

竹井:ええ。若い人が少ないから、重宝されますよね。地方に行けば50歳でも「若い」っていわれる地域もありますから。そういう意味では、自己実現がしやすいのは都市より地方かもしれません。「自分が人の役立てている」っていうことが、すごく実感できるんですよね。若くて、ちょっと力仕事ができるだけで、近所の高齢者の役に立てるかもしれないし、起業をすればあっという間に地域のリーダーになれる可能性もあります。

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--確かに、そういった「自分が役に立てている感覚」は、東京では得づらいかもしれません。自分と同じようなスキルを持っている人はたくさんいますから、あくまでも大きなシステムの中の歯車のひとつ、という感覚を持ってしまうというか。

新井:僕は、多くの方が歯車でいるのを好んでいるようにも見えるんですよ。「人との関わりがめんどくさい」という人もいるでしょう。そういった方にとって、歯車でいることは不確実なコミュニケーションが少ないから、楽なんです。

逆に、そういう人は地方に行ってもつらくなってしまう。地方にはご近所付き合いとか地域の会合とか、「めんどくさい関係性」がありますからね。一方で、めんどうだけど人間っぽくって温かい関係性が好きなのであれば、地方に行くのはいいと思いますね。

本当のソーシャルは、めんどくさい

--最近では組織の歯車になるのではなく、自らの興味関心に沿ってキャリアをデザインしていく人が増えるなかで、地方で働くことやソーシャルビジネスへの関心も高まっているように思います。

新井:そうですね。ただ、「ソーシャル」ってどういうことなのか、というのは考えなければいけません。僕が講義で大学生に伝えていたのは、「君たちの言う『ソーシャル』っていうのは、都合のいいつながりじゃないの? 」ってことです。

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だって、自分が共感してもらえる人たちだけとつながろうとしている人が多いから。でもそれって実は、ソーシャルじゃないんですよ。ソーシャルって、めんどくさいことも含めてソーシャルなんです。反論とか、軋轢とか、意見の相違とかいった「めんどくさいこと」も含めてソーシャル、つまり社会が成り立ってる。そのことを理解できないと、地方で仕事を始めてもなかなか難しいでしょうね。

竹井:そうですね。地方と言っても、特に都市部ではない地域での仕事には、めんどくさいことがついてまわることがあります。「出る杭は打たれる」で、目立ち過ぎると周りに良く思われなかったり、新しいことや変化への抵抗感が根強かったり、町のお祭りや会合に参加しないと仲間になれなかったり。でも、一度信頼を得れば温かく接してもらえますし、家族のように助けてくれたりするんですよね。

家で家族と昼ご飯を食べて、会社に戻ってくる生活がある

新井:自分も今の仕事がなかったら、地方に住んでると思います。

--え、本当ですか?

新井:生活がゆたかですもん。僕はスキーが大好きなので、札幌なんていいなぁ、と思います。仕事で全国に行く機会があるけど、札幌からなら飛行機でどこの地域にも行きやすいですからね。

竹井:地方にいると無駄な時間が減らせるから、生活がゆたかになるということはありますね。職住近接ができるので、それこそ徒歩5分で会社に行けることもある。東京だと、満員電車で1時間半とか2時間もかけて通勤している人がいることを考えると、大きな違いです。

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新井:あと、地方の会社のなかには、社員がお昼に一旦帰宅をして、自宅でお昼を食べてもOKというところもあります。岐阜県高山市にある和井田製作所では、昼休みになると車が会社からバーって出ていくんです。けっこう多くの社員が、家で家族とお昼ご飯を食べて、会社に戻ってくる。

竹井:地方では通勤前や帰宅後にサーフィンに行ったり、スキーに行ったりする生活もできますからね。仙台でも、車で30分海の方に行けばサーフィン、山のほうに行けばスキーができますので。

--それはゆたかですね。地方に行くことで余暇に使える時間が増えるので、その分趣味の時間や家族と過ごすの時間を増やすことができると。

新井:鎌倉投信も、社員がけっこう鎌倉に引っ越してきていて。みなさんほんとに喜んでいて、「家庭が平和になる」と言っています。やっぱり都市を離れることで、社員だけでなくその家族も楽しみが増えるということがあるみたいですね。

 

(つづく)

この記事を書いたユーザー

山中 康司

山中 康司

働きかた編集者。IT系ベンチャー企業にてオウンドメディアの編集者を経験したのち、現在はNPO法人ETIC.ローカルイノベーション事業部にて、「地方での働き方」に関するプロモーション業務等を担当。立教大学卒、東京大学大学院情報学環学際情報学府修士課程修了。

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