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石巻がアート?! Reborn-Art Festivalが東北で創るものとは? ①— 鼎談:小林武史×須永浩一(Yahoo! JAPAN)×宮城治男(ETIC.)

2017.02.23 838view 

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宮城県石巻と牡鹿半島を中心とした地域で、2017年7月22日から51日間にわたって開催される芸術祭、Reborn-Art Festival(リボーンアート・フェスティバル)。開催に先駆けるプレイベントとして、2016年7月には、Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016という3日間の音楽フェスティバルが石巻で開催されました。

震災から5年を経た現在、石巻という土地でReborn-Art Festivalという芸術祭が開催されることは、どんな意味をもつのでしょうか?

Reborn-Art Festivalの実行委員長である音楽プロデューサーの小林武史さん、ツール・ド・東北を通して東北と関わり続けてきたYahoo! JAPANの須永浩一さん、右腕プログラムなどを通して東北で活躍する人材を送りこんできたETIC.の宮城治男の3人が、石巻のこと、東北と日本の未来のことについて語り合いました。 (写真撮影:舟木公一郎)

人が生きる術。そのすべてがアート。

ーーたくさんのアーティストのプロデュースやap bank fesのような大きな音楽フェスを仕掛けていた小林さんが、東北の石巻という土地で、Reborn-Art Festival(以下、RAF)という芸術祭をやるに至った想いやお考えを教えていただけますか。

小林武史さん(以下敬称略):僕は音楽人で、これまでも音楽を中心にしたフェスをやってきたけれど、そういったイベントは長くても数日間のことなので、開催した場所、地域にコミットしていくということがなかなかしづらかったんです。でも地域型の芸術祭では、RAFだと51日間といったように、開催期間が長いので、準備も含めて地域にずっと関わり続けていくという側面があります。

また、音楽というのは吸引力が強く、みんなで同じ方向を見て楽しめるという側面があるけれど、ややもすると一つの方向に依存しすぎてしまうこともある。でもアートの場合は、一人一人が作品に向き合っていく時間があって、ある種の自立心や自主性がある。それも音楽にはないよさだなあと思っています。 あともう一つ、都市と地域の関係性について考えていました。都市では、経済の合理性の中で時間と空間をどんどん圧縮して効率をあげていく傾向があるけれども、地域にはまだたくさんの時間と空間のスペース、すき間がある。そのスペースとアートの表現が出会うことによって、都市から地域に人が入ったときに、地域の中で生きるということを捉えやすくなるのではないかという思いがあります。

k-1RAFでは、現代アートを中心に、僕らが得意とする音楽の表現ものせていきますし、これだけの時間と空間があるので、そこでたくさんの人が過ごすということで、命の循環を表す「食」も問われてくる。東北は漁業を中心にものすごく「食」のポテンシャルをもったところでもあるし、そうしたところを皆にも感じてもらう意味でも、絶好の機会かなと思いました。

宮城治男:Reborn-Art Festival では、「人が生きる術」を大事にされています。(※)

先日、プレイベントとして石巻で行われたReborn-Art Festival ×ap bank fes 2016に伺いましたが、東北×フェスというのはあらためてすごいパワーだなと思いました。”お祭り”に参加している人たちが、みなさん自分事にしているというか、主体性の大きさを感じましたし、参加者や出店者の笑顔や姿そのものが、自分にはアートのように映りました。小林さんがおっしゃったように、音楽は1つの方向への求心力というものがあって、そこでみんなが勇気をもらっている姿に感動しました。

一方で、その求心力に依存するのではなく、それぞれが自分に向き合うために、暮らし、食なども含めた”生きる術”をアートとして見せる、伝えるという方法は とても興味深いです。震災以降あらためて、東北の魅力というものを再発見させてもらったという面がありますが、そこで生きる人たちの力、生き様のようなものもまるごと、主体的に感じてもらう場になるということですね。

(※)http://www.reborn-art-fes.jp/message/

積み上げてきた中から生まれる熱量。プレイベントの音楽フェスを開催。

須永浩一さん(以下敬称略):Reborn-Art Festival ×ap bank fes2016は、参加している人たち全員で一緒につくっている感覚があって、みんな楽しんでいましたよね。

東北にずっと関わっていて感じるのは、東北の方たちが、なんのために生きるのかということを体現している、本質的に生きる意味を表現していらっしゃるように見えるということ。そこが、僕が東北にずっと関わる理由なのかもしれないです。

2016年のプレイベントでは、それが凝縮されている感じがしました。僕が感動したのは、オープニングでの地元の方たちと小林さんたちとがコラボしたパフォーマンスで。小林さんをはじめとした皆さんが、地元に元からあるものを本質的に大事にアレンジしていらっしゃいました。あれが、もしかしたらアートなのかもしれませんね。不覚にも、あの30度の真夏の太陽の下で泣きました。

宮城:あの場全体を通して、小林さんがやってこられたことの思いが、すごく響いたという気がします。それが共鳴して、我々にも伝わってくる感じがしました。

須永:地元の人たちの暮らしや考えていることを尊重して、それをベースにしているということが共感を生んだと思うんです。震災からの5年間、東京でつくったものを現地にもっていくということがよくありましたが、長続きしなかった。そうではない小林さんのアプローチに共感しています。

小林:オープニングや後半のレクイエムは、皆さんよかったと言ってくれました。それはうれしいのだけど、僕らとしては、地元の人と話して、混じって、何かをやる、という当たり前のことを積み重ねているだけなんですよね。僕は音楽の使い手だから、積み上げてきた技術を職人のように使っているだけなんです。音楽は、積み上げていくと、違うものをつなげて、混ぜて、協奏ができる。それが音楽のすばらしさなんですよね。

東北に来るための理由をつくる

小林:震災のあとのイベントとして、何かを積み上げているということでいえば、須永さんが取り組んでいるツール・ド・東北(※)も同じことに取り組んでいると思うのだけど。あれはどういう思いではじまったのですか。

(※)「ツール・ド・東北」は、東日本大震災の復興支援、および震災の記憶を未来に残していくことを目的に、2013年にYahoo! JAPANと宮城県の新聞社の河北新報社がスタートした自転車イベント。

須永:原体験でいうと、2011年4月から毎月ボランティアとして亘理町に通っていました。そこで、公園に一人用のテントを張って、現地の泥かきをして、ということを続けていました。目の前の瓦礫を片付けて、人のために働いて帰ってきたテント村には、ある種の高揚感があって、フェスの夜の時間みたいだなって感じたんです。そういう原体験があって、人が東北に足を運ぶ理由が必要だなということが頭に残っていました。

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そのときはそれで終わっていたのですが、Yahoo! JAPANが東北に拠点を置いて復興活動をはじめて、何ができるかということを社内で話しているときに、スポーツのイベントがいいんじゃないかという話になりました。そして、被災地沿岸部は400kmくらいあって、マラソンでは走れないけれど、自転車だったら走れる、自転車はエネルギーも使わないし、土地の匂いも体で感じられる、毎年開催すれば町が変わっていく様子もよくわかるので、自転車のイベントがいいのではないかという話になったんですね。

小林:”ツール・ド・東北”という名前がうまくはまりましたね。

須永:実は、”ツール・ド・東北”というのは、戦後間もないときに、復興の一環で“三笠宮杯ツール・ド・とうほく”として河北新報社さんがはじめたものがあったんです。東北地方に道路を整備しようという目的だったようですね。でも道路も整備され、クルマ社会になり、「道路を閉鎖して自転車を走らせるなんて」ということで中止になったらしい。 でも震災が起こって、また道も壊れてしまったから、復興のためにもう一度できないかという思いを河北新報社の一力さんがおっしゃったのを聞いて、いい話だと思ったので復活させたんですね。

石巻がアート?! Reborn-Art Festivalが東北で創るものとは? ②


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この記事を書いたユーザー

鈴木 まり子

鈴木 まり子

1988年生まれ。大学卒業後、出版社で4年間編集の仕事に携わり、小学生向けの書籍づくりなどを担当。2016年春から、三重県尾鷲市九鬼町という小さな海辺の町に暮らし始め、編集・執筆・宿やワーキングスペースの企画・運営など活動中。

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