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NPOに転職する前にチェックすべき3つのポイント――いきなり飛び込むのは危険?

2013.10.03 

「想いをもってNPOに転職したけど、失敗しちゃったかな…と思っています」

「団体が何をしたいのか分からなくなってきて、自分も何をしてるんだろう?って考えることが多くなってきて…」

「転職して1,2年は耐えられるかなと思ったけど、給与が上がる気配もなくて将来が不安で…」 NPO転職時に事前チェックすべき3つのポイントby 株式会社PubliCo・山元圭太さん 最近、NPOに転職するビジネスパーソンも着実に増えている中で、NPOに転職した人たちから苦悩の声を聴くことも多くなりました。これは何もNPOだからということではなく、企業間であろうが、転職すれば悩むこともあるというのが普通だと思います。 それでも、いくつか「NPOならでは」なポイントもあるかもと思ったので、ご紹介します。実は僕自身も転職して最初の1年はとくに苦しくて悩んだ記憶の方が多いです。でも、今はとてもやり甲斐を持って楽しく働かせてもらっています。下記を少しでも参考にしていただき、一人でも多くの方が、HAPPYなNPOへの転職ができることを願っています。

 


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0. NPOのミッションと自分のミッションとはシンクロしているか?

まずは大前提として、ミッションに心底から共感している団体かを確認してみましょう。チェックするべきは、その団体の事業・活動内容でもなく、代表者や人物でもなく、ましてや知名度や資金規模でもありません。なぜなら、それらは変化するからです。しかし、ミッションは変わりません。むしろ、正しい団体であれば、そのミッションをあらゆることの判断軸にして動いていきます。それと自分自身の価値観が合っていなければ、仕事がつらくなっていくだけですし、お互いに不幸です。

 

【チェック方法】

  • 定款第3条を確認しましょう。必ずその団体のミッションが書かれています。
  • 講演会やイベントなどに参加し、代表者や職員に質問してみましょう。
  • 団体設立の経緯(ストーリー)も聞いてみましょう。

1. 「ミッション」-「ビジョン」-「事業・活動内容」はつながっているか?

  • その団体は何のために社会に存在しようとしているか?(ミッション)
  • それが実現できた時の具体的な世界像は?(ビジョン)
  • そのためにその団体がすべきことは何か?(事業・活動内容)

これが一気通貫していないと、必ずいつか「自分は何をしているんだろう…?」と悩むことになります。いくらミッションやビジョンに共感していたとしても、目の前の仕事ややっている事業がそれらにつながっていないとなると、社会問題の解決もするはずがなく、モチベーションなんて湧くはずがありません。ちなみにこれらがつながっている団体はそんなに多くないように思います。実際、高いレベルでこれらをつなげることはかなり難しいことです。しかし、それにしっかり取り組もう、高いレベルでつなげようと具体的に努力する姿勢があるのかは見逃せない点です。

 

【チェック方法】

  • その団体が発行している「白書」があればそれを読みましょう。取り組む問題をどこまで深く理解しているか(しようとしているか)が分かります。
  • 講演会やイベントで「問題構造をどう捉えていますか?」「セオリー・オブ・チェンジはなんですか?」「それらを深化させるために何をしていますか?」と聞いてみましょう。
  • 同じ問題に取り組む別団体の事業・活動内容や成果と比較してみましょう。

2. 適切な「ファンドレイジング戦略」はあるか?

NPOで長く働く覚悟のある方が気になることの一つが収入面です。入職後しばらくは想いでやっていけますが、少しずつ不安が大きくなっていく人が多いでしょう。そこで、少しでも明るい見通しが見えればいいですが、逆に見通しがつかなければ働き続けるのが難しくなってきます。対応策としてはいくつかあるのですが、一番真っ当な方法は、問題解決の成果を出し、それをベースにファンドレイジング(資金調達)を戦略的に行っていくことです。その団体の中長期計画に沿って最適なファンドレイジング戦略になっているかを確認しましょう。さらに、人件費や給与に関するその団体のポリシーなどもチェックできればより良いかもしれないですね。

 

【チェック方法】

  • 年次報告書などを確認し、団体の収支報告・計画をチェックしましょう。
  • 「計画達成に向けたファンドレイジングの重点施策はなんですか?」と聞いてみましょう。
  • 面接時などに「人件費・給与ポリシーはありますか?」と聞いてみましょう。

3. 「滅私奉公」ではなく「活私豊公」の組織か?

多くのNPOはただでさえ、慢性的に資源が不足しています。だからこそ、最小の資源で最大の成果をあげるためには、各メンバー個人の「強み」を見出し、最大限発揮できるような組織づくりが必要不可欠です。つまり、「自分を押し殺して、公共に奉仕する」精神ではなく、「個人を活性化して、社会を豊かにする」精神で運営されている組織かどうかが気になります。今、「強み」が明確でなかったとしても、それを一緒に見つけようとし、それを尊重し、成果につながるようコーディネートしてくれる、そんな人たちがどれほどいるかを確認してみましょう。

 

【チェック方法】

  • 組織図上で最も下位の方(インターン生など)に「活き活き仕事できていますか?」と聞いてみましょう。マネージャークラスの方は答え慣れちゃっている場合が多いので。笑
  • 団体を卒業した人たちが今何をしているのか聞いてみましょう。
  • 団体を卒業した人たちに聞いてみましょう。

以上です。 ここまで書いておいてなんですが、最後に「団体側(採用側)」の立場から一言申し上げると、 「たとえ1から3の点が揃っていなかったとしても、自分がそれを成し遂げるぞ!」 という意気込みを持って飛び込んできてくれる方をどこも一番欲していると思います。 こちらの世界でお待ちしております!

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山元 圭太

合同会社喜代七 代表 / 株式会社 Seventh Generation Project 取締役 / NPO法人日本ファンドレイジング協会 理事 / NPO法人ソーシャルバリュージャパン 理事 / 島根県雲南市 地方創生アドバイザー / 1982年滋賀県草津市生まれ、同志社大学商学部卒。経営コンサルティングファームで経営コンサルタントとして5年NPO法人かものはしプロジェクトでファンドレイジング担当ディレクターとし5年半のキャリアを経て、非営利組織コンサルタントとして独立。2015年10月に株式会社PubliCoを創業。2018年3月に故郷の滋賀県草津市で合同会社喜代七を創業。2018年12月に株式会社Seventh Generation Projectを創業。

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