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旅とプロボノ活動は新しい世界への入り口。NPO職員が挑戦を続けるために選んだもうひとつの顔「応援コーディネーター」とは

2024.11.08 

近年、社会貢献活動のひとつとして、本業で培った経験やスキルを活かして社会課題解決に取り組む「プロボノ」が注目を集めています。社会貢献がしたいという理由に加え、自身の活動の場を増やす、スキルを磨く、という視点からプロボノ活動に取り組む人は少なくありません。

 

人生100年時代、職場と家庭だけでなく、多様な関係性を社会の中で持つことが豊かな人生に重要とされています。

 

本特集では、プロボノとして社会課題解決にチャレンジする人を支える「応援コーディネーター」へのインタビューを連続でお届けします。応援コーディネーターとは、and Beyondカンパニー(※1)が主催するBeyondミーティング(※2)というブレスト会議の場で、登壇者をサポートする応援隊です。

 

ブレスト会議前には伴走役として登壇者の発表内容のブラッシュアップを行い、ブレスト会議当日は多様な参加者が集まる場でファシリテーションをしながら場を盛り上げます。

 

第3回目は、荒川沿いのごみ拾いなどを通して生物多様性の保全に取り組みながら、同じ場所だけにとどまらず自分の視野を広げ、新しい世界の入り口を見つけるために応援コーディネーターとして活動している山地さんの素顔に迫ります。

 

山地 佳奈(やまち かな)さん

NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム 理事

会社員、NPO職員などを経て、荒川クリーンエイド・フォーラムに入職。ごみ拾い活動のコーディネートを通じて、河川/海洋ごみ問題に関わる。本業以外にも、教育支援のボランティアやBeyondミーティングの応援コーディネーターなどの活動をしている。好きな味噌汁は赤だし(愛知県出身)。小笠原諸島父島に移住したい。

Webサイト : https://cleanaid.jp/

 

荒川沿いのごみ拾いのイベントコーディネートでメールのやりとりから草刈りまで

――普段のお仕事を教えてください。

 

東京都荒川(あらかわ)下流部の河川敷で環境問題に取り組んでいる「NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム」に所属して、ごみ拾いのイベントのコーディネートや当日の運営サポートをしています。

 

荒川が流れているのは埼玉県と東京都です。荒川下流部は江戸時代に人の手で掘られた放水路で、今年、通水100周年を迎えました。下流部は江戸川区・江東区・葛飾区・墨田区等、複数の区を跨ぎ、多くの方がごみ拾いに参加しています。

 

荒川では多くの方が清掃活動に参加してるので、その調整は多岐にわたり、メールのやりとりから、草刈りなどの肉体労働まで、幅広い業務に携わっています。

 

「NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム」にて活動しているとき

まだ挑戦を続けたい、いろいろな人に出会いたいという思いで応援コーディネーターに

――山地さんが応援コーディネーターにチャレンジしてみようと思ったきっかけはなんですか。

 

ETIC.(エティック)が主催している実践型プログラム終了後、Beyondミーティングの案内をもらったことがきっかけで、応援コーディネーターの存在を知りました。実践型プログラムを駆け抜け、1つのチャレンジが終わった時に、視野を広げたい、これからも挑戦を続けたい、いろいろな人に出会いたい、という思いで関わるようになったのが、応援コーディネーターです。

 

――Beyondミーティングには、応援する側の応援コーディネータだけではなく、応援してもらう側の登壇者としても参加されていますよね!

 

はい。一度オンライン版Beyondミーティングに登壇しています。応援する側から今度は応援してもらう側になり、応援コーディネーターから勇気をもらったことから「誰かの挑戦を応援する」ということの価値を改めて感じました。

 

2023年2月に開催されたBeyondミーティング#52では「荒川から『河川海洋ごみ問題』を伝える!環境NPOのエンタメ発信」というテーマで登壇

視野が変わった。登壇者の伝える言葉を世界観ごと理解することが大切だと思う

――応援コーディネーターを始めてみてどうでしたか。

 

コミュニケーションの仕方、特に聞くことに関して意識が変わったと感じています。

 

応援コーディネーターは、登壇者のピッチや資料など、発表内容のブラッシュアップをするのですが、登壇者の想いやストーリーをどれだけ掘り起こして聞けるかが大事だと私は考えています。そのためにはアジェンダオーナーの想い、それに至った背景をきちんと理解する必要があると、伴走の中であらためて気付くことができました。

 

アジェンダオーナーの使う言葉には、どのような想いが込められているかをきちんと理解するために、事前にテーマとなる社会課題を調べてアンテナをたてたり、たくさん質問をしてコミュニケーションをとるようにしています。

 

応援コーディネーターとして活動していく中で「こんな挑戦をしている人もいるんだ。自分ももっと頑張ろう!」と励みになります。

 

――応援コーディネーターとしてのやりがいを教えてください。

 

Beyondミーティングが終わった後、登壇者の方と振り返りをするその際にアジェンダオーナーから「参加者からアイデアがたくさんもらえて、Beyondミーティングに参加して良かった」という感想を聞いた時、応援コーディネーターとしてアジェンダオーナーの背中を押せたと感じられて、とても嬉しかったのを覚えています。

 

また登壇が終わった後も、SNSなどで彼らのその後のアクションを見て挑戦し続けている様子を知れると、応援コーディネーターをやっていてよかったなと思います。

旅も応援コーディネーターとしての活動も、自分の視野を広げ新しい世界の入り口になる

――応援コーディネーターとしての経験が、普段の仕事や生活に役立っていることはありますか。

 

コミュニケーションや、自分の知らないことを知ろうとする意識に生かされていると感じます。私は小笠原諸島父島にいつか移住したいと思うくらい、島の自然・生活・特有の生活習慣が好きなのですが、知らない土地を旅することとプロボノ活動をすること、それぞれ得られる発見に共通点があると感じています。

 

父島を訪れるためには、24時間船に乗らなければいけません。一度船に乗ったら、次に戻ってくるのは5日後になります。私にとって非日常であった島の風景や生活は、住んでいる方にとっては日常であり、これまで私が過ごしてきた日常とは全く違いました。自分の知っている世界はまだまだ狭いこと、人の数や土地により日常が異なることを知れるのはとても楽しいですね。

 

一方、応援コーディネーターとしての活動も、相手を通して自分の世界を広げることにつながっていると感じます。たくさん質問できるスキルがあがったりと、仕事や生活でもプラスになりました。旅も応援コーディネーターも、自分の視野を広げる新しい世界の入り口になっていると思います。

 

小笠原諸島にて

「それは面白い!」と乗り気になれる方におすすめ

――最後に、応援コーディネーターはどんな方におすすめか教えてください。

 

いろいろな社会課題解決に向けた挑戦に「面白い!」と乗り気になれる方は、応援コーディネーターに向いているのではないかと思います。

 

「興味関心があってたくさん相手に質問しすぎてしまう……」そのような一面をお持ちの方も、それが強みになるかもしれません。

 

――ありがとうございました。

 


 

応援コーディネーターの活躍も楽しめる次回開催のBeyondミーティングは、こちらをご確認ください。

 

わたしも応援隊をしてみたい!という方は、下記日程で「応援コーディネーター募集説明会」が開催されますので、ぜひご参加ください。

11月21日(木) 20:05~20:55 ※お申し込みはこちら

11月26日(火) 20:05~20:55 ※お申し込みはこちら

 

 

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※1…and Beyondカンパニー「意志ある挑戦があふれる社会を創る」をミッションに活動する企業とNPOによる共創コンソーシア厶。立場や組織の垣根を超え17社が参画している。

※2…Beyondミーティングand Beyondカンパニーが主催する全力応援ブレスト会議。組織・立場・世代を越えて誰もが自由に参加できる場として毎月開催されています。

 

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常住 颯乃佳

2003年生まれ。福岡県出身の大学3年生。福島県大熊町でのインターンシップを経て、地域で挑戦する若者を応援したいと思い「Beyondミーティング」のインターン生としてETIC.に参画。